僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?2012年08月03日 23時21分11秒

ヲトコ カワサキ
俺は自己啓発本が大嫌い。この本は自己啓発本チックなタイトルだけど、内容はマルクス経済学導入本といった感じだったので読んでみた。自己啓発本としては失格だと思うので、その手の本が好きな人は買わない方がいいカモ(^^;

この本の前半にはマルクスの資本論の考え方を引き合いに出し、モノの値段の決まり方について解説されている。マルクスの資本論なんて読んだ事も読もうと思った事もないけど、この考え方が新鮮でとても興味深い。素直に面白い。

序盤ではモノを労働力に置き換え、どのようにして給料が決まるのか、なぜ一生懸命働いても豊かさが感じられないのか、著者の考えが分かりやすく述べられている。一部著者の考えには合意しかねる部分もあったけど、個人的には概ね同意できる内容。

後半に出てくる「自己内利益」の考え方には同意。簡単に言うと、給料の額のみで満足を得ようとするのではなく、給料からその給料を得るために費やした労力を差し引いたものの大きさで満足感を計るというもの。給料を得る為に費やす労力が下がれば、相対的に労働に対する満足感は高まるという発想。

もう一つの柱が、無理せずに高い給料を継続的にもらうため、労働力の価値を高める働き方をするというもの。理論的には正しいと思うし、同意できる。ただこの部分の説明は抽象的なものが多く、具体性に欠けるのが残念。意識するのとしないのでは10年後の状況は大きく異なるとは思うけど、投資の効果が期待できる仕事をやるべしと言われてもピンとこないよーな...

著者の解説は丁寧で分り易くて誰にでも理解できると思うんだけど、その分回りくどいと感じた。この内容なら1/2の紙で十分なんぢゃね?その方が本としての魅力が増すと思う。