火花2015年08月21日 23時08分34秒

サボさん
芥川賞を受賞した又吉直樹の「火花」を読んだ。いわゆる純文学作品なので、俺は普段ほとんど読まないジャンルの作品。自分で買ったわけじゃなくて、同僚が読み終わった本を借りて読んだ。

とにかく豊かな表現力が印象的だった。情景が目に浮かぶような秀逸な表現に圧倒された。「芸人とは思えない作品」と評するのが失礼と思えるほど、ちゃんとした作品だった。知的でテンポのいい文章は読んでいて心地よかったんだけど、だけど肝心のストーリーは俺の趣味には合わなかった。さらっと読み終えたんだけど、読み終わった後に何も残っていない感じ。特別感動もしないし、心がほっこりする訳でもなかった。

漫才師でもある又吉が漫才をテーマに書いているので、読んでいるとどうしても主人公の徳永が漫才師又吉とだぶってしまうんだよね。それがイマイチ感情移入できなかった原因なのカモ。中篇作品という事であまり厚くなく、2時間あまりで読み終えた。この作品が1000円(Kindle本)はちょっと高いね、買わなくて良かった。

芥川賞を受賞した作品ってほとんど読んだことないので他の作品とは比べられないんだけど、この本の売上げが200万部を超えているというのは芸人としての又吉直樹という看板があってのことだと思う。又吉直樹が書いてなかったら間違いなく俺も同僚も読んでなかっただろうし。

最後のスパークス最後の漫才は中々良かった。泣けるほどではなかったけど、相方との最後の掛け合いはテンポよく臨場感もあって又吉らしい文章だと思った。次の作品が楽しみだね、是非とも誰かのを借りて読んでみたい(笑)。

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