タワーマンション2016年10月28日 23時04分57秒

夕焼け
30年前はバブルの全盛期で、都心に住宅を持つなんて夢のまた夢だった。住宅地は郊外へと広がり、通勤に1時間以上は当たり前なナントカニュータウンといった新興戸建て住宅地が開発された。「金曜日の妻たちへ」で舞台になった田園都市線沿いのすずかけ台とかオシャレな雰囲気で人気があったようだけど、都心まで通おうとすると最低でも1時間半は掛かると思う。今はどうなってるのかな?

バブル崩壊から25年たった今、都心にはタワーマンションが林立して新築でも6000万円とかで都心に住宅が買えるようになった。決して安い金額ではないけど、住宅ローンを組めばサラリーマンでも買える値段。少なくともバブル時代には有り得ない選択肢だった。バブル当時に今のような状況を予想できた人はほとんど居なかったんっぢゃないかと思う。

今のところタワーマンションは人気があって、中古価格も高値で安定している模様。タワーマンションで気になるのが住民の高齢化。大規模なものは1,000戸を超える総戸数というから、下手なナントカニュータウンよりも多い。当然ながら近い年代の住民が多く入居している訳で、30年もすれば高齢化の波が押し寄せてくる。築30年を超えたタワーマンションは今と変わらない魅力を保ち続ける事が出来ているんだろーか。

都心の立地という条件は変わらないので古くなってもそれなりの値段が付くかもしれないし、賃貸住宅として貸し出すことも可能かもしれない。だけどバブル時代に今の状況が予想できなかったのと同じで、30年先がどうなっているかは分からない。老朽化の進んだタワーマンションの安全性が問題になって入居希望者が居なくなっているかもしれないし、外国人居住者が増えて治安が悪化しているかもしれない。もし空き部屋が目立つ状態になっていたら、修繕積立金なども捻出できなくなって負のスパイラルに陥っている可能性もあると思う。

個人的には同じ価格の不動産物件に比べて、タワーマンションは不確定要素が大きいと思う。タワーマンションは建物(人工物)に対する価値が大半なので、想像以上に価値が下がる可能性は否定できない(あくまで個人的な意見)。ローンを払い終わる35年後に他の不動産物件と同等の資産価値を保っていると考えるのは楽観的過ぎると思うんだよね。むしろ現在は東京オリンピック前のご祝儀相場と考えた方がいいよーな気がする。

確かにタワーマンションの眺望は魅力的だけど、人生にとって必須かと言われれば否。どこに行くのも地上50階からエレベータで降りないといけないし、何らかの理由でエレベータが使えないとどこにも行けなくなる。利便性で言えば一戸建てが一番いい訳で、順番をつけると 一戸建て>低層マンション>高層マンション だと思う。

借金してタワーマンションを買う場合、少なくとも今問題として予見できる住民の高齢化の問題や安全性や修繕費用などの不確定要素からくるリスクを認識しておく必要があると思う。