古典インク2016年11月25日 22時12分12秒



万年筆で面白いのがインク選び。今はプラチナ純正のカートリッジインクを使っているんだけど、付属のコンバーターを使うとプラチナ純正インクだけでなくて他メーカのボトルインクも使えるようになる。色とか書き味とか、個性的な特徴のあるインクを好みで使い分けることが出来る。

NICE PURを使うようになってから、万年筆のインクには大きく分けて染料インクと顔料インクの2種類があるって事を知った。染料インクというのは色の付いた普通のインクで、インク自体が透き通っている。一方の顔料インクは水に溶けない細かな粒子を含んだインクで、カンタンにいうと墨汁のようなインク。

染色インクが紙の中に浸透して発色するのに対し、顔料インクは紙の表面に顔料がとどまって発色する。一般的に染料インクは耐水・耐候性に劣るものの扱いやすく、顔料インクは耐水・耐候性が高いもののペン先でインク詰まりを起こし易いといったデメリットがある。

NICE PURにはプラチナ純正カートリッジインク、ブルーブラックを使っている。ブルーブラックといえば昔から万年筆の定番カラーなんだけど、プラチナのブルーブラックは結構面白いんだよね。いわゆる古典インクと呼ばれるタイプで、一言でいうと耐水性を備えた染料インクなんだそうな。

プラチナ製ブルーブラック(古典インク)は化学反応に基づいたインクで、インクの成分であるタンニン酸第一鉄が筆記後空気に触れることにより酸化されタンニン酸第一鉄に化学変化して黒色になるらしい。タンニン酸第一鉄は元来無色透明なので、ブルーインクを配合することで可視化しているとのこと。ブルーが色褪せたあとも紙に滲み込んだタンニン酸第一鉄が黒く残るので、普通の染料インクよりも経年変化に強く、古くから公式文書等にはブルーブラックのインクが使われてきたらしい。

そんな薀蓄は知らずに使ってきたんだけど、その愛用のインクが古典インクだったと知って何か嬉しくなった次第。学生時代に使ってたパイロットのブルーブラックはどうだったんだろうね?30年近く前の話だけど、あれも古典インクだったのかな?今度学生時代のノートを引っ張り出してどんな色合いになってるか確認してみよーかな (^^)