グランドセイコーGT-R2018年10月19日 23時02分19秒

Singapore
果たしてこのグランドセイコーGT-Rは高いんだろーか?販売価格は最低2,000万円と堂々のプレミアム価格帯なんだけど、中身は100万円のスプリングドライブクロノグラフ。この腕時計の価値はその希少性とオーナーのカスタム要求への対応にある。イタルデザインのGT-R50 by Italdesignも、1,000万円で市販されているGT-Rをベースにカスタムを施して1億円超の価格(90万ユーロ)で販売される。生産予定台数は世界限定50台。似た生い立ちだけど、違いはセイコーというマニュファクチュール自身が手掛けているという事。

グランドセイコーGT-Rは3台限定。世界に1つしかない時計を世界的なマニュファクチュール自身が2000万円という基本価格で提供するというのは異例だと思う。いくら2,000万円のプライスタグをつけてもマスプロダクションである時計を数台売って儲けるなんてことは不可能だと思う。普通ならこんな企画が通る訳がないので、これは完全にセイコーの広告戦略だと思う。儲からないので本当は作りたくはないけど、流石に1台じゃカッコがつかないからとりあえず3台限定。これを10台作ったところで赤字が膨らむだけで、元が取れるような商品じゃないと思う。

セイコーというブランドを認める人には、2,000万円の価値を感じる人も居ると思う。後年になってもセイコーが3台限定で作った時計ということで、身に着けられる財産となっているかもしれない。一方で将来セイコーというブランドが失墜していれば、中途半端な機械式時計として二束三文の価値になってるかもしれない。少なくとも2018年現在としては、セイコーという一大マニュファクチュールが採算度外視で3台限定で作ったという事実から、この時計に2,000万円払ってもいいという人はたくさんいると思う。

ロードスターのNAリフレッシュプランと似てる感じがする。200万円で販売された25年落ちのスポーツカーに480万円のレストア代を掛けてもいいという人はあまりいないけど、メーカーであるマツダがリフレッシュするとなると話は別っていう人が結構現れてくるのと同じなんじゃないかな。