AIブーム2018年12月12日 23時31分51秒

故郷
ここ数年のAIブームが凄い。計算機の性能向上と機械学習(ディープランニング)のブレイクスルーの相乗効果で、AIブームに一気に火が付いた。AIって言葉は学生時代からあったけど、近いうちに実用化される日が来るとは思えなかった。当時は専門家の思考ロジックを専用言語を使ってプログラミングしようとするエキスパートシステムってのが流行ってたんだよね。あれから25年あまりが経過し、専門家の思考ロジックはディープランニングを使ってモデル化され、計算機が専門家の判断に近いOutputを出せるようになって来た。言語認識や画像認識の分野に限れば、確かに技術が飛躍的に進歩したと思う。

一方で感じるのが条件分岐の判断が高度になっただけで、これを人工知能と呼んでいいのかという点。ある一定のルールの下では、膨大な前例に基づいて合理的な判断を下せるのが現在のAI。将棋やチェスのプログラムは典型的な成功例。だけど明確なルールの存在しない世界で、AIが人並みの思考や判断を下せるレベルに進化するにはもう一段、二段のブレークスルーが必要だと思う。少なくとも知能というからには意思を持ち、条件を分析し、個々の課題に対して最適解を導き出す思考が実現されないといけないと思う。今のAIと呼ばれている機能にそれが備わっているとは思えない。

昨今のAIブームは90年代初頭に流行ったファジー理論ブームに比べれば実体を伴っていると思うけど、ちょっと過大評価気味な気がしている今日この頃。あまりAIには過度な期待をしていないんだけど、世の中はこの技術に魅せられている人が多くて驚く。その一人がソフトバンクビジョンファンドを率いる孫正義氏。氏の先見の明と類まれなる行動力は素晴らしいと思う。だけど現在のAI関連企業への群投資にはちょっと疑問が沸かなくもない。現在のAI技術をデータ分析などうまくビジネスに活用している企業に投資しているので成長は見込めるんだろうけど、今後のAIの進展は人間の脳の構造解明と計算機によるその再現にかかっているよーな気がする。

それにしても人間の脳ってホント凄いと思う。自分の脳のMRI画像を見ていて、改めて脳の凄さを感じた次第 (^^)

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