Backyard Builder by HRC Eng. 「とあるエンジニアの日常」

ロードスターが発売された1989年、俺は19歳だった。19歳という響きに中途半端な印象を持つ人も多いと思うけど、個人的には19歳って凄く気に入ってたんだよね。なんてったって19は素数、やっぱ数字は素数っしょ(笑)。あと岡村靖幸が19ってフレーズを好んで作品の中で多用していた影響もあったと思う。有名どころでは渡辺美里に提供した「19才の密かな欲望」。渡辺美里がこの曲をリリースした当時、彼女は実際に19才だったんだよね。岡村靖幸がプロとして音楽活動を開始したのも19才だった。

19歳の時の最も大きな出来事はバイクを買った事かな。今でも忘れない、愛車Bandit 400を手に入れた19才の夏。バイト代を投じて中型免許を取得し、長崎のSBSで見掛けてひとめぼれした紺メタのバンディットを購入。バイクの購入は両親から反対された。理由は①危ない、②学生がローンを組むのは駄目。　...もっともな反対理由だった。息子が19になってバイク買うって言ったら俺も反対するだろうね、それも同じ理由で。

結局バイク代は祖父母、保険代は両親が出してくれた。バイクは値引きや登録料などコミコミで約62万円、保険代は1年で16万円と、貧乏学生が手に入れるには高額だった。今の保険は当時から加入し続けているものなので、契約期間30年。保険は20等級に達し、今KLXには1万7000円くらいしか払ってない。リタイヤまでにガレージを手に入れて、祖父母の形見となったBanditを復活させるのが俺の人生の目標の一つ。

若い頃の思い出にはバンディットが一緒のものが多いんだよね、今思えば青春そのものだった。同級生はバイク好きが多く、卒業アルバムの中には同級生が皆お揃いの赤いオリジナルジャンパーに身を包み、当時の愛車と一緒に撮った写真もある。何度か事故に遭いかけた事もあったけど、運よく怪我する事も無かった。ご先祖様に感謝。