ゼロ戦2016年01月27日 23時26分09秒

セグロガモメ
ゼロ戦(零式艦上戦闘機)が空を飛ぶ姿を見てみたい。戦争の是非とか、特攻の是非とかをとやかく言うつもりはない。ただ80年前の日本人が持てる技術を注いで作り出したゼロ戦、国家の存亡を託した戦闘機の飛ぶ姿を一度でいいから見てみたい。

ゼロ戦はシンプルで無駄が無くて美しい。当時のどの戦闘機よりも美しいと思う。見た目だけではなく、当時の各国の戦闘機の中で突出した運動性能と航続距離を誇った。その高性能の鍵は徹底した軽量化。ゼロ戦を設計した堀越二郎は「相手との力の差があまりに大きかったために、本機の欠点~防弾の欠如、急降下速度~が露呈せず、太平洋戦争に突入したことはかえって不運であった」と述懐しているんだそう。それほどに突出した動力性能だったらしい。

軽量化の次に気になるのはパワーユニット。ゼロ戦に搭載されるエンジンは中島飛行機が開発・製造した栄(さかえ)と呼ばれるユニットで、空冷複列星型14気筒過給器付きレシプロエンジン。星型エンジンって凄く好き。このメカニズムを考えた人は天才だと思う。それにしても14気筒って凄いよね、肩を並べるのはブガッティヴェイロンのW型16気筒くらいしか思いつかない。

栄エンジンの排気量はなんと28リッター、あのブガッティヴェイロンの3.5倍。現代の小型セスナ機の排気量は6Lなので、ゼロ戦が超軽量ボディにハイパワーのエンジンを積んだ最新鋭の戦闘機だったんだってことが実感できる。これだけの排気量だと燃料消費も激しいはずで、敗戦濃厚な日本軍にとってはゼロ戦を飛ばすこともままならなかったことは想像に難しくない。

ゼロ戦の飛ぶ姿をこの目で見てみたい。本物のゼロ戦が飛ぶ姿を見たら泣いてしまいそうだけど。