AE862015年04月17日 23時54分51秒

EUNOS ROADSTER
元祖ハチロク、AE86はカローラ、スプリンターのスポーツグレードという位置付けだった。カローラレビンであり、スプリンタートレノだった。スポーツカーの定義は数あれど、AE86をスポーツカーと呼ぶのは抵抗がある。生い立ちからするとスポーティーカーと呼ぶのが自然だと思う。AE86は値段も高くなかったし、さほど速くもなかった。社会人になる頃は既にFF化されたAE92にモデルチェンジされていて、就職と同時にAE92を買った友人も何人か居た。

今思うと、90年代のAE86ブームとも言うべき状況は異常だったと思う。AE86は80年代でも特別目新しさの無いクルマだった。1世代前の古い足回りにパッとしないエクステリア、プラスチッキーでチープな内装。唯一、当時新開発されたエンジン4A-Gだけは魅力的に思えたのを覚えている。俺には新車で買えるロードスターの方があらゆる面で魅力的に思えたけど、ハチロクの中古はNA6の中古よりも高かった。

歴代のレビン、トレノはコンパクトなボディにFRという駆動方式が受け、もともと人気モデルではあった。特にAE86はカローラセダンがFF化された時期にあたり、その中でFRを踏襲していたレビン、トレノは話題性も評判も高かった。当時人気があったのは固定ライトのレビンで、リトラクタブルライトのトレノはどちらかというと不人気だったように思う。それが頭文字Dの影響でトレノの3Drモデルが一番の人気モデルとなり、プレミア価格が付いて投機対象と思えるような値段で取引されるようになった。

そんなAE86も絶版になって早28年、最近は街中で走っている姿をめっきり見かけなくなった。ハチロクなるスポーツカーも登場し、初代というかAE86は、現役世代を知らない若者の間で半ば神格化されているように思う。

確かに街中で見掛けるAE86は速いのも多かったんだけど、それはお金を掛けてイジってあったから。ストリートにはハイコンプピストン入れて圧縮比を上げて、ハイカムで8000回転以上回して甲高いエキゾーストノートを響かせているようなハチロクが溢れていた。1750ccにボアアップしている車両もゴロゴロ。だけど素のAE86はとりたてて速い車ではなくて、パルサーEXAや後に登場したユーノスロードスターといった当時の自然吸気1600ccエンジン搭載車と変わらない、平凡的な加速だった。

現行のハチロクは立派になった。BRZと兄弟車とはいえ、専用新設計のFRシャシーが奢られ、エンジン以外は完全に専用設計された。ハチロクはれっきとしたスポーツカーだと思う。それにしても新型のスポーツカーの名前をハチロクにしたトヨタのセンスには脱帽だね。レビトレ復活ならまだしも、新開発のスポーツカーの名前がハチロクて(笑)。紛らわしいのもあるけど、俺がAE86オーナーだったら絶対嫌だけどね。

新型ロードスターがNA-6(MX-5みたい、笑)なんて名前だったらマツダが嫌いになってるカモ(^^;