軽規格の理由2015年04月21日 22時57分41秒

現役バリバリ
S660は魅力的だと思うんだけど、このクルマを誰が買うのかとちょっと心配になる。もちろんカプチーノやビートを大事に乗っている軽スポーツのマニアにはたまらないモデルだと思うけど、世の中それらの人は少数派。S660の開発責任者は「クルマ離れと言われる世代にスポーツカーのカッコ良さを発信していく」ともっともらしい事を言ってたけど、軽規格の小さいスポーツカーを若者がカッコいいと思うんだろ-か?

S660は維持費が安い軽自動車ではあるけども、車両価格は200万円超とかなり高め。お金に余裕のない若者も無理をすれば手の届くクルマではあるけれど、ほとんどラゲッジスペースのないスポーツカーを1台目のクルマとして選ぶのは躊躇するんぢゃないかと思う。セカンドカーとしてではなくファーストカーとして所有することを考えると、実用的なトランクを備えるロードスターの方が魅力的に見えると思う。

スポーツカーといえば生活に余裕のある中年層、もしくは豊かな老後を楽しむ熟年層がセカンドカーとして買うことが多いと思う。ある程度お金に余裕のある人が買う贅沢グルマな訳で、そのような層の人が軽自動車に固執する理由はない。せっかくお金を出して趣味のクルマを買うのに、軽自動車というのはチープな感じがするのも事実(軽自動車オーナの方ごめんなさい)。スタイリッシュでカッコいいデザインも、50過ぎたオジ様が乗るには少々若々しすぎるカモ。個人的には可愛らしいデザインの先代コペンよりは断然アリだけどね(^^)

S660はいいクルマだと思うけど、いかんせん排気量が小さすぎる。車重が500kgを切るケータハムならアリだと思うけど、850kgのボディを走らせるには660ccでは小さすぎる。幾らハンドリングが気持ちよくても、660ccのエンジンでは気持ちのいい加速は期待できない。高回転まで回して振り回す面白さはあると思うけど、5000回転以上をキープして走るなんて腕は持ち合わせてないし、楽しいよりも疲れる方が先だと思う。

「ホンダはなぜ軽自動車のスポーツカーを作ったのか」、これが最大の疑問。ボディを大きくすれば必要最低限のラゲッジスペースは確保できただろうし、軽規格のしがらみが無ければ1300ccのエンジンだって搭載できた。若者が気軽に買えるような価格の安いスポーツカーを作るのが目的なら、その目的を達成したとは言い難い。速い車を作るのが目的なら、それも達成できていない。運転が楽しいスポーツカーを作るのが目的なら、もっと大きなエンジンを積むべきだ。ビートの復刻モデルを作るのが目的ならその目的は達成されたけど、ホンダはビートの後継モデルではないと断言している。

S660の高い評価は軽自動車という前提の下で成立してるけど、そもそも本格的なスポーツカーを軽自動車で作る目的がはっきりしない。若者にスポーツカーの魅力をアピールするなら、普通車のほうがいいだろう。S2000がそうだったように、ホンダは速い車は作れても、多くの人に評価され、買いたいと思わせるスポーツカーを作るのは苦手だ。鳴り物入りで登場したS2000が1代で消えてしまった事実がそれを物語っている。

ホンダのピュアスポーツカーが軽自動車として開発されたのは、ロードスターとのガチンコ勝負を避けるのがその理由だったんじゃないかと勘ぐってしまうひねくれ者の俺(--)