ハイエンドオーディオ2019年12月08日 22時27分04秒

ボブ
ニポンのコンポーネントオーディオ市場が消滅し、それらを手掛けていたメーカーが壊滅状態になって久しいけど、海外ブランドや一部の日本メーカーはハイエンドオーディオの世界でたくましく生き残っている。お金持ちはおカネに糸目をつけないんだね、クルマにしてもオーディオにしても。俺もスピーカーをコンクリートブロックの上に設置してたけど、自動車部品メーカーが鋳鉄製スピーカーベースとか作ってるなんて知らなかった。

一番驚いたのが超ド級アナログプレーヤー「テクダス・エアフォースゼロ」、なんとお値段税別5000万円。アナログプレーヤの音質にとって重要な要素はいくつかあるけど、原理がシンプルなのでディジタルオーディオよりも分かり易い。

一つが回転の安定性、ディスクの回転がふらついていたら音が歪んでしまうのは想像に難くない。ターンテーブルの慣性モーメントを大きくすれば回転の安定性が増すので、ターンテーブルは質量の重い金属で製作され、マスを稼ぐために分厚くデザインされる。エアフォースゼロのそれは何処までがターンテーブルなのか分からないほど厚みがある。見た感じ最低でも100㎏はありそうだね、こんなターンテーブル見たことない。

あと外部の振動の影響を抑えることも重要。振動は床から直接伝わるものだけでなくて、スピーカーからの音もアナログプレーヤーの音質を劣化させる要因となる。脚部にインシュレータを内蔵させて床からの直接の振動を低減させるのは常とう手段だけど、それに加えてプレーヤー自体の重量を増やしてやれば相対的に振動影響を抑えることが出来る。エアフォースゼロの重量はなんと350㎏、鉄馬ハーレーダビッドソンよりも重い。写真には写っていないけど、空気からの振動を遮断する為にガラス製の遮音ケースが付いてるハズ。

ここまで凄いプレーヤーで再生するとなると、録音機材の性能が気になってくる。レコード盤に溝を刻む際、そのマシンの回転の安定性がこのプレーヤよりも低いと意味無いもんね。