関税戦争2025年04月17日 22時31分03秒

バンコク
トランプ大統領の相互関税の政策は直感的に持続性が無いというか無理があるというか、そのうち失敗すると当初から感じていた。中国など一国に対して課税する場合はそれなりの効果が期待できる気がしてたけど、相互関税として対象を全ての国に対象を広げてしまっては、自給率100%でない限り商品の価格が上昇してしまう。自給率100%だとそもそも関税掛ける意味ないけど(笑)。

確かに10年スパンで見ればトランプ大統領が言うように製造業の国内移転が進むかもしれないけど、それ以前に米国国民が悲鳴を上げるハズ。それとて全ての分野において製造業がアメリカ国内に回帰するとも考えづらい。数千万人単位の外国人労働者を呼び入れれば労働力は確保できるかもしれないけど、移民嫌いの大統領がそれを認めるとも思えない。仮に十分な労働力が確保できたとしても、それらを使いこなすノウハウや技術をもつ技術者が圧倒的に足りない。トランプ大統領は成し遂げたい事と政策が噛み合ってないと思う。

高関税の対象国を中国一国に絞ったとしても、より苦しむのは米国だという。「米国の対中輸出は輸入の5分の1に過ぎないので、関税をかけて苦しむのは中国だ」というのが米国のロジックで、一見正しそうに見える。だけど実際は逆で、「中国製品の価格が大幅に上昇したり店頭から消えたりすることで大きな打撃を受けるのは米国」だという。関税を負担するのは購入者側。関税を掛けるとその分は米国内の販売価格に転嫁され、それによる物価上昇は避けられない。強大な権力を持つ大統領と言えども、急激なインフレに対する国民の不満を抑えることができるとは思えない。

ダメ押しとなるのが相互関税。本来なら中国からの輸入減少分を補う他国からの輸入に対しても高関税を課すというのだから、輸入においては八方ふさがり。相互関税が課せられれば、米国内における物価の急激な上昇と供給不足は不可避。いわゆる無理ゲー状態(笑)。その辺を踏まえて二国間交渉に臨めば、ニポンにとって不利な結果とはならない気がする。二国間交渉には賢い人がかかわってると思うので、相互関税の結末はある程度見えてると思うけどね。

米国って優秀な1%の人材が国を動かしていると言われるけど、今回の関税政策だけは優秀な人が考えた政策だとは思えないんだよね。ド素人の俺でも直感的に無理があると感じるほど稚拙な政策だと思うんだけど、それとも他に何か凄い切り札でもあるのかな?(--;