日揮の危機管理におもう2013年01月23日 23時12分21秒

おじいちゃん こっちこっち
ネット上では時折アルジェリアでのテロに巻き込まれた日揮についての批判的な記事を目にする。確かに邦人が7人も亡くなり3名の行方が未だ判明していないのは紛れも無い事実であり、改めるべき点は少なく無いと思う。だけど俺は日揮の危機管理能力はむしろ高いと感じている。日揮広報担当者の毅然とした対応をみて、そう感じている人は少なく無いと思う。

考えてみて欲しい。これまで組織が危機に直面した際に、これほど冷静かつ毅然とした対応をした企業をみた記憶が無い。国家的な危機に見舞われた東日本大震災、あのときの東電や政府の対応と比べてみればその差は誰の目にも明らかだろう。正確な情報の把握が出来ていないにも関わらず、いい加減な発言を繰り返す政府会見。二転三転する確度の低い情報が氾濫し、場当たり的な判断が現場の混乱に拍車を掛けた。指揮系統も曖昧で危機管理の体をなしていなかった。

今回の人質事件では被害者家族への負担を鑑み、実名報道を控えるという一貫した方針も当初から徹底している。なぜこれほどにぶれの無い対応が出来るのかと言えば、普段から不測の事態に備えていたからに他ならないだろう。万が一最悪の事態が起こっても、適切な対応によって被害の拡大を防ごうという姿勢。過去の事例に比べて政府の対応が多少マシに見えたのは、日揮の危機管理が機能していたからだと思う。

被害者の氏名公表が議論されているけど、俺は残された家族の意向に従うべきだと思う。ただ事件の詳細や安否がまだ分からない早い段階で、そして被害者家族の気持ちの整理が付かない段階で、実名で報道する必要など無いし、すべきではないと思う。