Backyard Builder by HRC Eng. 「とあるエンジニアの日常」

東京オリンピックのエンブレム問題って何か後味が悪い。エンブレムとは全く関係の無いところにまで波及して、完全にいじめ状態。別に佐野氏を擁護するつもりはないんだけど、最近報じられている佐野氏のプライベートにまで踏み込んだ個人攻撃は単なる成功者への妬みのように感じられる。何でこうなるのかね、たかがエンブレムなのに。

ベルギーのデザイナーが訴えた際には日本人として支持し守ってあげてしかるべきなのに、全く逆の反応。今回の一件に日本人の特性(同胞意識の低さ)が悪いほうに出てしまったと感じる。日本人は群れるのを嫌う傾向があり、このため海外でも日本人街というのはあまり存在しない。世界中のどこにでもチャイナタウンがあるのとは正反対。良く言えば自立しているし、悪く言えば集団性に欠ける。

この日本人の特性は時に人に迷惑を掛けないという美徳として表れ、世界から賞賛を浴びる。一方、時に旅行中に誘拐された邦人を個人責任と言う言葉と共に見捨てるといった冷たい反応を見せる。もし今回の問題が外国で起こっていたら、デザイナーを非難するよりも先に擁護する声が上がっていたんじゃないかと思う。

正直佐野氏のエンブレムは悪くないと思うんだよね。いまネットに上がっているエンブレム案なんて、どれもありきたりでパッとしないものばかり。ほとんどが桜とか菊とか富士山とか、外国人の抱く日本のイメージをパターン化したもの。形は変えているのかもしれないけど、どれも似たような色合いばかりでアレンジの域を出ていない。これらの駄作の数々を見てると、むしろ却下されたエンブレムがより魅力的に見えてくる。

仕切り直しなんかにしてしまったら、次のエンブレムを決めるのは相当難しくなるだろうね。再審査を通じて佐野氏のエンブレムの秀逸さが再認識されるんじゃないかと思う。東京オリンピックなんだから、エンブレムも1964年のエンブレムを年号だけ変えてそのまま使うのもいいんじゃないかと思ったりもする。Low Cost開催ってIOCの課題なんじゃなかったっけ？(^^;