目玉2015年10月31日 12時02分00秒



例年ならモーターショーの最大の見所になっているであろう新型NSXだけど、今回はRX-VISIONの陰に隠れていま一つ注目を浴びていないように思う。RX-VISIONはまったく市販の目処も立っていないまだまだ現実味の薄いコンセプトモデル。俺はNSXの市販モデルが見れるのを結構楽しみにしてるんだけど、新型NSXはもっと話題になってもいいと思う。

今回のモーターショーはさまざまな企業がクルマの自動運転技術を展示しているらしい。だけど昔からのクルマ好きとしては何か違和感を感じる。たしかに自動運転技術には興味はあるけど、クルマの魅力って自動運転技術じゃないと思うんだよね。そんな技術はあっという間にコモディティ化してしまうので、自動車メーカーがそのような技術に莫大な資金を投入して開発するのが正しい道なのか疑問を感じなくも無い。それはIT技術フォーラムで発表すればいいんじゃないかと。

そんな中で理想的なスポーツカーを追求したコンセプトカー、RX-VISIONを発表したマツダ。エコでも自動運転でもなく、スポーツカー。そのスポーツカーに収まるパワーユニットは、マツダの魂であるロータリーエンジン。スカイアクティブの発表以降、マツダには一切のブレや迷いが無い。何万人もの従業員を抱える大企業がこれほど大胆な戦略をとれるのには驚かされる。

RX-VISIONにはビジネスの香りがしないし、ビジネスを意識した妥協が感じられない。だから魅力的に見えるんだと思う。今こんなピュアなコンセプトモデルを作れるのは、マツダ以外にはないと思う。燃費が悪く排ガス規制にも対応できずに数年前に姿を消したロータリーエンジンを、マツダは本気で蘇らせようとしている。社長自らが「私たちの描いた将来の夢を形にしたもの」といって発表したRX-VISIONを応援せずにはいられない。

RX-VISIONが話題になるのは嬉しい。だけど一時的なものだけじゃなく、車好きの人たちはずっと応援して欲しい。応援しないとロータリーエンジン搭載モデルは市販されない。マツダはファンの期待に応えるべくRX-7を復活させたいと考えていると思うけど、慈善団体ではないので幾らなんでも売れる見込みの無いクルマを作ることは出来ないと思う。

マツダのデザイン本部長の前田育男氏は東京モーターショープレス発表会の場でRX-VISIONの前に立ち、「このクルマのターゲットは私。絶対、死ぬまでに達成させる。このクルマを夢で終わらせない。必ず実現させる」と発言したんだそう。俺もお金貯めてガレージ建てて、新型RX-7の登場を待つとしようかな(^^)